ぼくが数年来メンターを務めているイタリア人の女性がいるのですが、
彼女は昔からよく「今、5分だけ時間ある?」と連絡をくれます。
……で、今日もその「5分」が、気づけば1時間近く。
2時間近く話し込むことも、ざらにあります(笑)
このイタリア人の時間感覚は、日本人のぼくからすると、とても新鮮でした。
ステレオタイプでは「イタリア人は時間にルーズ」なんてよく言われますが、実際に関わってみると、
「時間」という概念そのものが、かなり自由なんですよね。
たとえば以前、ミラノで電車に乗ろうとしたときのこと。
掲示板に表示された時刻どおりには列車が来ず、30分以上も遅れてやってきました。
はじめての電車だったので、「乗り場を間違えたのかな」と焦って、
慌てて駅員さんに聞いたところ、
「遅れるのが平常運転です」と、まさかの返答。
……ついでに、
発車するプラットフォームも表示されていた番号と違っていて、
危うく、遅れてやってきたその電車にさえ乗り損ねるところでした(笑)
日本では考えられないことかもしれませんが、
そんな彼女たちの「時間に囚われない」姿勢には、いつもハッとさせられます。
ぼくはというと、ついつい一日を効率よく過ごそうとして、
スケジュールをぎっしり埋めてしまいがちです。
もちろん、やることが多いときにはその方がうまく回るし、
色んなタスクをきちんとこなせる実感もあります。
でもそれを毎日続けていると、
次第に「時間に追われる」「時間に囚われる」感覚が強くなってしまうんですよね。
だからこそ、意識して
スケジュールに“空白”をつくることを大切にしています。
目の前の人との時間を、もっと大事に使えるように。
そして、ふいにやってくるチャンスに飛び込める“余白”を持てるように。
チャンスは、たいてい人が運んできてくれるもの。
だからこそ、ぼくは「人と過ごす時間」を大切にしています。
みなさんも、時には時間から少し離れて、
予定のない時間を楽しんでみてくださいね。