君の意味

金沢勇希の『君の意味』

裸の王様(社長)が会社に犬を連れてきた話

ぼくは今、お手伝いしている会社の社長室に席があり、午前中はそこで仕事をし、午後は営業チームのいる部屋に移動するというスタイルで働いています。

今日も午後になってセールスフロアのドアを開けると――
「ワンワン!」と、犬に出迎えられました。
チワワなので、正確には「キャンキャン!」かもしれません(笑)

この会社は犬の同伴OKで、週に1回くらいは社内で犬を見かけます。
ぼく自身、高校生の頃までは獣医を目指していたほど犬も猫も大好きです。
以前は、大型のスタンダード・プードルを飼っている社員もいて、
最初に階段で遭遇したときは野生の狼か何かだと思ってさすがに驚きました(笑)


大型犬といえば――
昔オーストラリアのある会社を訪問したとき、
就任したばかりの2代目社長も、
よく大型犬を連れてオフィスに来ていたのを思い出します。

犬種はわかりませんが、後ろ足で立つと、ぼく(身長170cm)の肩に前足が届くほどのサイズです。

当時のぼくの出張任務は、
東南アジア地域の代理店を招いた製品発表イベントに参加しながら、
「この新社長は本当に大丈夫なのか?」を見てくるスパイのような役割でした。

各代理店には、新社長就任後に製品価格が上昇したことへの不満があり、
今回のイベントでは連携して価格交渉を仕掛けるつもりだという情報が入っていました。

そのため、ぼくを含む関係者は、
「価格の上昇にはそれだけの価値がある」と思ってもらうために、
品質の高さや誠実な姿勢を行動で示す必要があると考えていました。

……新社長を除いて。


イベント当日、代理店の方々を乗せたバスがオフィスに到着すると、
社員たちは入口に並んで出迎えました。
ところが、新社長はタイミングを計ったように遅れて登場。

そして自分の乗る高級車で颯爽と現れ、代理店の社長たちに挨拶。

この瞬間、社員たちは思いました。
「価格を上げて得たお金で、その車を買ったと思われるじゃないか……」

実際、代理店の方々もそんな印象を抱いたようで、
その日の交渉は見事に決裂してしまいました。

さらに悪いことに、
その重要な日にも彼は大型犬を連れてきていて――
犬がゲストの1人に「ワン!」と楽しそうに飛びついて、会場は騒然。
社員たちは、みんな青ざめていました。


まさに「裸の王様」です。
でも、これはどうすれば防げたのでしょうか?


👑 王様側の視点で考えてみる

  • 本当のことを言ってくれる人をそばに置く?
  • それを素直に受け止める?

そもそも自身を疑う目がないと難しいですね。

  • 周囲と同じ感覚を持つよう心がける?
  • 相手の立場になって考える?

同じ釜の飯を食べたり、みんなと一緒の席で過ごせばわかるかもしれませんね。


皮肉なことに、この新社長は今も社長をしています。
そして、代理店のことを心配してぼくを“スパイ”として送り込んだ人は、もう亡くなっています。


🏰 王様の“まわり”から見た場合

  • クビ覚悟で進言する?
  • 革命を起こして引きずりおろす?

……ちょっと過激ですね(笑)


あなただったらどうしますか?
ぼくは、自分で自分の王を選びたいと思っています。

会社であれば、転職をすることで王様を変えることができます。
上司を王様と捉えるなら、異動願いを出すのもひとつの方法かもしれません。
あるいは、独立して、自分自身が王様になるという道もあります。


みなさんも、ぜひ、
「この人に尽くしたい」と思える王様を、自分の意志で選んでください。

あなたが心から仕えたくなるような、偉大な王様と出会えますように。

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