人の様子を気遣うということ 先日、社内を歩いていたときのこと。
明らかに疲れていそうな子とすれ違いました。
「大丈夫?」と声をかけると、いろいろと大変なことがあったらしく、話を聞くだけでとても喜んでくれました。
こうしたちょっとした気づきや声がけって、つい当たり前になって忘れてしまいがちですが──
自分の存在を「見てくれている」と感じることで、人は救われることがあるんですよね。
思い出したのは、以前お世話になったイタリアのメンター社長のこと。
ある日、その社長の一日にシャドーイングで同行させてもらったときのことです。
朝出社すると、まず最初に社内を一巡して、全社員に挨拶してまわっていました。
ようやく自分の席に戻ると、「気づいたか?」と聞かれました。
「何を?」と返すと、
「挨拶が元気なかった社員がいただろう?」と。
そのあと、社長はその社員を自室に呼び、話を聞いていました。
(ぼくはもちろん席を外しました)
中には、親の介護に悩んでいた社員など、個人的に知っていたケースもありました。
そうした問題に対して、会社ができるサポートを探し、できる限りのことをしていたそうです。
社員が70〜100人規模の会社だからこそ可能だったのかもしれません。
でも、もっと大きな会社でも、同じような姿勢を持っている人はいました。
ぼくが新卒で入った日本のメーカーでは、創業者である初代社長がよく試作現場に顔を出していました。
800人以上いる会社で、まさか自分のような新人が、製品をいじっている現場で社長と雑談できるなんて、当時は驚きでした。
でも、社長がものづくり好きだったこともあり、気さくに声をかけてくれたことが、何より嬉しかったのを覚えています。
ほんのひと言の気づかいが、人を支える力になる。
ぜひあなたも、たまには顔を上げて、周囲を見渡してみてください。
もし、少しでも元気がなさそうな人がいれば、そっと声をかけてみてください。
その小さな優しさが、誰かにとってはもっとも必要な助けだったりすることもあります。
あなたは最近、誰かの様子に変化を感じたことはありますか?
あなたと、あなたの周囲の人々が、お互いを思いやる温かい関係でいられますように。